乳癌 カテゴリー4~5
12年前のことです
それは、突然の告知でした
もうすでに、手遅れではないか、と思いました
しこりは6センチでした
私は特異体質です
過去に何度も血圧低下を起こしました
外来での組織検査はできず、様々な画像診断を受け、その全てで『悪性』とのことでした
積極的な治療を受けるかいなか、迷いました
当時、下の子どもは、保育園に通っていました
すぐにでも手術を、と言って下さる先生に、少しだけ考えてさせて下さい、、、と伝え
帰り道に新幹線に飛び乗って、小一時間、知らない街を歩きました
深い悲しみと迷いをまとったまま、家に帰りたくなかったからです
あの日、初めて訪れた街には、紫陽花がたくさん咲いていました
これまでに見たこともないほど、美しいと感じました
もしかしたら、来年は見れないかも知れないという気持ちが
私のレンズをすっかり取り換えて変えてしまったのかも知れません
私は、もう少し家族のもとにいたい、と思いました
雨に打たれるほど綺麗になる紫陽花に背中を押されました
決心しました
大きな冒険でした
不測の事態に備えて、手術室には 5人のドクターが一緒に入って下さいました
私は『ありがとうございます』と繰り返しなから目を覚ましたそうです
痛いはずの手を合わせようとしていたそうです
手術室の看護師さんが、その様子を見て涙ぐんでいたとドクターから聞きました
覚えてはいません
下の子どもは、高校生になりました
そして、もうじき、紫陽花の季節が来ます
感謝を忘れずに、
生きていきたい、と思っています
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